オシャレな外車に乗るだけで自分のステージがぐっと上がる!
デザイナーはなぜかいいクルマに乗っている人が多い。背伸びして、ローンを組んで、分不相応に見えたりする。でも、よく見ていると若い時から外車に乗っている人の方が成功しているみたいだ。なぜなのか…
クリ絵(26歳)=グラフィックデザイナー歴4年目の向上心旺盛な女性。ようやく担当のクライアントを持ったが、デザイン業界の将来性に不安を持っている。
師匠(55歳)=地方都市でデザイン制作会社を経営するアートディレクター。約20名のクリエイターとともに多くのクライアントの様々な案件に取り組んでいる。
クリ絵:あ〜、悔しい! 先週、私が担当していたクライアントをひとつ取られてしまいました、ライバルのデザイン会社に。出来上がった表現案のセンスは私の方が優れているのに…。
師匠:まぁ、デザインセンスと表現案の持つパワーや効果は少し違うけどね。で、そのライバル会社の担当クリエイターってどんな人?
クリ絵:若いのに無理してミニクーパーの限定車に乗ってるの。きっと60回ローンよ! クライアントの美容室のオーナーもミニのオープンカーに乗ってるから替えられたのかしら。国産の小型車しか乗れないからひがんでいるんじゃないのよ、私。
師匠:若くて、ミニクーパーに乗ってるのか。何かいいね。クルマ選びにセンスの良さが出てる気がするね。近頃のクリエイターの皆さんはきれいな格好をしてるから、昔のように服装でデザインセンスが分からないしね。
クリ絵:外車に乗ってたらセンスが良いと判断するわけ、師匠は!
師匠:そうだよ。クリエイティブな業界の人にも乗っているクルマで判断している場合が多いよ。
例えば、エステや美容院や飲食店のオーナーさん達の周りにいるクリエイター達の外車率高いし。彼らは本能的に、手がける仕事だけじゃなく、立ち振る舞いや言動も含めて、自分の価値を高める努力をしているクリエイターと仕事をしたいと思っているんだと思うよ。
クリ絵:なんだかな〜、車で自分の価値を高める努力と言われても…。
ライバルと差をつけるための車選び
師匠:セルフプロデュース、ブランディング、差別化、個性。手っ取り早いのはクルマだよ、ライバルと差をつけるには。私が外部スタッフとしてお願いしているクリエイターたちの車を思い出してごらんよ。
カメラマンなら、ボルボやベンツのワゴン。本質を見極められる人に見えるだろ。
デザイナーなら、イタリアやドイツやフランス製の小型車。お洒落な人に見えるもんね。
コピーライターなら、ゴルフやアウディの小型車。IQが高い人に見えるし。
ディレクターなら、BMWの3、5シリーズやアルファロメオ。積極的な性格の勝ち組だろう、彼らは。
クルマ選びを間違えなければ、クライアントにセンスが良いと幻想をいだいてもらえるし、私の周りを見ても、稼いでいるクリエイターはセンスの良さが感じられる素敵な外車に乗ってるしね。
クリ絵:……。
師匠:それと、これは公然の秘密だけど。成功しているクリエイターは、休日になるとこっそりと自分の好きなもう1台の、仕事には絶対に使えないような愛車をドライブしてるんだよ〜。ちょっとうらやましくないかい。
クリ絵:……。
クリ絵が分かったこと
乗っているクルマでセンスを判断されてしまう業界がデザイン業界。無理して外車に乗っているクリエイターの人が(もしかして)成功者に近いのかも。
もうクルマは移動するための道具だなんて言ってられないのだ。