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フード&ドリンク

石川県のいろいろ珍味 10『干しほたるいか』

ちょっと小話


少々話の回り道になりますが、皆さんはお酒のお供としてよく使われる3つの単語
「おつまみ」「あて」「肴(さかな)」の違いをご存知ですか?

100%理解しているという方もいれば、全部一緒じゃないの? と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もまだまだお酒に慣れていない頃は、この違いが曖昧なまま何年も過ごしていました。

意味を知ると、なーーんだ!と声が出るくらい、実はとっても簡単な違いです。

「おつまみ」は手でつまんで食べるもの。
「あて」はもともと近畿地方の方言で、酒にあてがう料理(主に小鉢や小皿料理を指す)。
「肴」は「さか=さけ(酒)」「な(菜)=おかず」を意味する、お酒を飲むときに食べる料理全般。

つまり「肴」はお酒のお供と同じ意味合いで、その中に「おつまみ」や「あて」というジャンルがあるイメージですね。さて、違いがはっきりしたところで本題に入りましょう。
(知っていた方、お待たせしました)

本記事のタイトルになっている「干しほたるいか」。おつまみのおすすめランキングを作るなら、間違いなく上位にあげる商品です。食べる準備にほとんど手間がかからず、味はもちろんおいしくてお酒が進むし、さらには食べる過程が楽しい。

ホタルイカを干した商品自体はたくさんありますが、こだわりの魚醤に漬けて半干しになったものは、また格別の味わいがあるのです。

ワタの苦みがクセになる、大人のための絶品おつまみ


ホタルイカを魚醤に漬けて半干しにすることで柔らかく仕上がる「干しほたるいか」。漬ける魚醤はアジやサバを原材料に、通常1〜2年で作られるところ3年の時間をかけて自然熟成。雑味が少なく透明度の高い魚醤になり、これが「十字屋の干しほたるいか」の味を作り上げています。

マヨネーズを添えて一味をかけるだけでも、お酒が進む立派な一皿に早変わり。マヨネーズとの組み合わせは、ワタの苦みをマイルドにしながらコクも増すベストコンビネーション。

干しほたるいかの一番おすすめしたい食べ方は「炙る」こと。

ライターやろうそくの火でワタのあたりを炙ると、パチパチ、ジュワッと音を立てて身が反っていく。それが「食べてよし」の合図です。身はより柔らかく、ワタは苦みもまろやかに香ばくなって、次から次へと炙っては口に運んでしまう。手も汚れず、すぐに食べられるから、お酒のおつまみに最適です。

家族や友人と集まって食べるなら、網の上で一気に炙るのも良し。反り返ったものから、皆で取り合うのも楽しい時間になります。

干しほたるいかは、素干しだけでは出せない深いうまみが凝縮しているので、水で戻して料理に活用してもいい。炊き込みご飯や煮物など、戻し汁が良い仕事をするのです。

そのままでも柔らかくておいしい、炙ればさらに深まる味わい。生食とはひと味違う風味と食感が楽しめます。

干しほたるいかパッケージ23g

炙って動き出したら、ものの数秒で
キューッと反っていく姿がかわいい!

『干しほたるいか』
1袋648円(税込)内容量:23g

味の十字屋 東山本店
石川県金沢市東山3-2-18

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西口 千華

西口 千華

ライター/編集者

石川県金沢市在住。能美市で生まれ、豊かな自然の中で幼少期を過ごす。カナダ、バンクーバーへ留学した後、東京に移住。留学中は日本食文化の多様さを思い知り、東京では石川県の食に高い関心を向けてくれる人が多くいることを実感。2022年秋のUターン移住を機に「まだ知らないだけで、知ったらきっと好きになる石川県の味覚」をより多くの人に届けるべく、周知活動に取り組む。

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