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お土産

石川県のいろいろ珍味 07『巻ぶり』

ちょっと小話


人に贈りたくなる商品は、引っかかり(キャッチーな部分)をいくつか併せ持っているように思う。

この「巻ぶり」はまさにそれで、パッケージのビジュアルから始まり、食べもの自体の起源、味、そして食べ方のバリエーションと、「おお⁉」と引っかかるポイントが多くあります。

知らない人がこの商品を見たら、一体何が入っているのかと頭にクエスションマークが浮かぶはず。人に渡すときは、食べものの歴史や、包みの中がどうなっているのかを説明することで会話が生まれることでしょう。

食べたあとには、どんな食べ方が好みだったか意見交換するのも楽しい。一人で食べて完結するよりも、どんな食べ方をしたかなど誰かと話し合いたくなるのが、この巻ぶりなのです。

初めて食べるなら、まずはさまざまな方法で食べてみて、好みの食べ方を見つけましょう。それをきっかけに人に贈るときはもちろん、食べたことがある人に出会ったときにも、きっと話に花が咲くはずです。

ワラで巻かれたパッケージも魅力〝海の生ハム〞ブリの寒風干し


日本海の荒波にもまれ、まるまる大きく脂が乗った寒ブリは、いつの時代も地元で愛されてきました。冬が過ぎても食べることができるよう、塩漬けにして保存するようになったのが、数百年も前のこと。永禄のころ、これを加賀藩前田家や京の都に献上するため、乾燥させてからワラで巻いて保存性を高めたことが、巻ぶりの起源になったと伝えられています。

今では一年中作られ、親しまれるようになっても、味付けは昔から変わることなく塩一つ。強い塩味の中で、かむほどにブリの凝縮したうまみが溶け出し深まる味わい。一口食べてはお酒、もしくはご飯をかき込みたい。

適度に水分が抜けて身が締まっているので、薄切りだってお手の物。レモン汁やお酢、みりんをかけて、さっぱりといただくのもおすすめです。

塩辛く感じるようなら、清酒に30分ほど浸せば塩味がまろやかに。塩分とうまみが溶け込んだお酒はおいしく、身も柔らかくなって、良いことずくめの食べ方です。

〝海の生ハム〞といわれる巻ぶりは、和食に限らず洋食へのアレンジも利く。スライスしてオイルパスタやサラダに乗せるだけでも味の深みが増して、料理が1ランクグレードアップします。

数百年続く伝統製法を継承しながら、衛生面に配慮して中身は真空パックに。安心して常温保存ができるので、旅行のお土産にも最適です。

ワラに朱赤のラベルが映えるパッケージは、
お土産としてビジュアル100点満点!

『巻ぶり』
1,080円(税込)内容量:80g

株式会社 味の近岡屋
石川県金沢市野町3-2-31

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西口 千華

西口 千華

ライター/編集者

石川県金沢市在住。能美市で生まれ、豊かな自然の中で幼少期を過ごす。カナダ、バンクーバーへ留学した後、東京に移住。留学中は日本食文化の多様さを思い知り、東京では石川県の食に高い関心を向けてくれる人が多くいることを実感。2022年秋のUターン移住を機に「まだ知らないだけで、知ったらきっと好きになる石川県の味覚」をより多くの人に届けるべく、周知活動に取り組む。

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